なぜか職員の駐車場にいた楓と美乃莉に、雅は私を隠す。
待ち伏せしてんの!?
このままじゃ、誤解解けないよっ
どうしよ、どうしよ~
「 椿ちゃん、これ 車の鍵… 先にいくから 後でおいで 」
雅は私に鍵を渡し、上着を私の頭に被せ 先に車を出た。
耳をすませ潜む私は緊張で内心 穏やかではなかった。
「 上山先生!おはようございまーす!」
楓の声だ…
「 ああ、おはよう。教室行かないのか?」
「 やだ、先生を待ってたんだよ~ 朝イチの先生は最高だもん!」
け~… どっから声だしてんのよっ
甘えちゃってさ!
「 じゃあ 一緒に行くか 」
「 うん、行きます~」
ははは~ん、やだやだ、マジで~
「 あ!先生 上着忘れてない?私、取ってきたげるよ 」
んな!! ダ、ダメ…
「 いいよ、上着は。寒くないしね、ほら行くぞ 」
は~ 雅くんナイス…
「 先生たくまし~ カッコいい!」
はいはいはい、早く行きなさいよね、チャッチャッと歩きなさいよ!
3人の声が聞こえなくなり、私はスカートから携帯を取り出して時間を見た。
もう、いいかな… 出なきゃ 遅刻だよ~
ゆっくり頭を上げて 周りに誰もいないのを確認して車を降り鍵をかけた。
「 ふう… なんとかなったぁ 早く教室行こ 」

