お隣さんと内緒の恋話


ゴミ袋… ゴミ袋… やっぱないよ~

隣に行って借りるしかないよね、じゃないと部屋が臭くなる~


私は思い立って お隣に行きインターホンを鳴らした。


葵、出て!

「 はぁ~ い… 」


あ、この声は…


「 おはようございます~ 」

「 椿ちゃん!なに、どした!? もう時間か?」


わぁ、プチパニックしてる。

雅くん 髪跳ねてるし… なんか、葵っぽい。

しかも 子供っぽく見える。


「 まだ時間じゃないけど、今日ゴミ出しの日だから。でも、ゴミ袋がなくて、一枚分けてもらえないですか?」

「 ああ、いいよ。貸し3ね 」


えっ!

もう またなの… 貸しばっかり。


ゴミ袋をくれた雅が笑みを見せて言う。

「 椿ちゃん、ゴミ 玄関先に出しときな。俺が出すから 」


雅くん…


「 優しいよな、俺 」


あ~… だね、うん。


「 ありがとー 」


棒読みでお礼を言う私に、雅はニッコリと笑う。

私には その笑顔が優しく思えた。

私は言われたとおり、ゴミをまとめて玄関に出した。

携帯が鳴り 時間を見ると、7時前。


メールだ… 葵から!

「 先に行く、あとでな 」


葵… うん、あとでね!待っててね!


葵からのメールに返信し、玄関先からガサガサと音がする。

そしてインターホンが鳴り 出ると、雅がスーツ姿で立っていた。