お隣さんと内緒の恋話


雅が私を送り迎えすると言い出したが、私は首を横に振った。


「 雅くん、それだけはいいよ!自転車あるし大丈夫!」

「 俺もいるし 」


雅くんに送ってもらったりしたら、万が一見られたりしたら…

怖ーいっ!

楓と美乃莉だけじゃなくて 雅くんファンになにされるか~


イヤだぁ!!


「 でもなぁ、椿ちゃん 朝だけでも、な?」

「 え~ でも…」


無理! ぜーったい 無理~


「 椿、朝だけ送ってもらえよ 」

葵!? マジで~


「 椿ちゃん、俺を信じなさい 」

いや、それ無理だから。


私は横を向き、ため息ついた。


「 椿ちゃん? 頼むよ、君を送りたいんだ 」


そう言って私の肩に手を置くと、葵がバシッと 雅の手を叩いた。


「 葵~ 今 いい感じで言ったのに!」


いい感じ? ははは~ん、雅くんらしいよ…


「 アホだろ、雅。椿、足の事もあるし、朝だけ送ってもらえよ 」

葵…


「 わかった。じゃあ 雅くん、お願いします 」

「 よし!楽しみだなぁ 椿ちゃんと登校するの。あ、椿ちゃん、ネクタイ選んでよ 」


は? 雅くん、すーごく勘違いしてません?

葵がまた怒るよ…


「 雅~… てめぇは いい加減にしろ!」


ほら、ね。

でも なんか慣れちゃったし、おもしろいなぁ

ぷ、笑える。