話が一段落すると、酢豚が好物の二人は肉を取り合い始めた。
でも、パイナップルは残されていく。
二人とも、そこまで好きなんだ、酢豚。
私 お肉食べてないんだけど…
この二人と一緒じゃ早い者勝ちだろうね。
にしても野菜ばっか残ってる…
「 ねぇねぇ 取り合いしないで?」
「 雅が肉取りすぎなんだよっ」
「 お前のが食い過ぎだろ!」
肉、肉、肉…
「 俺はまだ成長期なんだよ!」
「 俺は体力も精力もいるんだよ!」
…はい? 今、なんて?
「 バカか、椿の前で変な事言うな!お前の女と一緒にすんじゃねぇっ 」
ん~……
「 俺が女と何しようが葵に関係ないねっ、ガキのくせに黙れ!」
この二人は、ほんとにもう…
「 うるっさーいっ!!葵も雅くんも どっちも ウザい! 黙って!
私 お肉食べてないしっ 取り合いしないでって言ったでしょ!」
まったく、二人ともガキでしょ。
私の一喝に 葵と雅は口を閉ざした。
「 天心もあるし、酢豚の野菜もしっかり食べてよね!じゃないと おばぁちゃんに言うからねっ、いい? …返事!」
「 わかった…」
葵が言い、雅は頷く。
それからは 葵と雅の小さな小競り合いを見つつ、食事を終えた。
「 椿ちゃん、ごちそうさま。明日は学校来れるか?」
「 はい、行きますよ~ 柚奈たち心配してるし、足は大丈夫です 」
「 送り迎えしようか?俺の責任だし 」
えっ!! いや、それは まずいっしょ~

