葵にお願いをした私は 内心 緊張していた。
「 言われなくても、椿の隣にいるよ 」
あ… 葵… よかった。
「 ありがと、葵 」
私の、彼氏… 私の隣にいる。
「 椿、心配すんな 」
「 うん!」
明日 学校中に 葵がダサ男で私の彼氏だと知れ渡る。
隠してるわけじゃないが、もしかしたら雅の弟だと言うことも知られるかもしれない。
「 …俺は反対だな 」
え… 雅くん?なに…
「 おい、雅、なに言ってんだ!」
「 どうしたの 雅くん 」
私は 雅の否定する言葉に耳を疑った。
「 葵は見せ物じゃない、ダサ男って言われてるのに… 椿ちゃん、君がダサ男の彼女として嫌な事言われるんだぞ?葵は平気なのか?」
言われた葵はうつ向き黙る。
私の事 心配してるの?
それ、違う…
間違ってるよ、雅くん。
「 ねぇ 雅くん、葵は葵だよ?正直、私も葵をちゃんと見て知るまでは ダサ男だった…
でもね、私、葵を好きになったの…
すごく気になって仕方なかった、だから 今はダサ男だなんて少しも思ってないから!」
「 …わかるよ、でも、葵はどうなんだ?」
「 どうって別に、俺は椿しか見てないし、周りは元から気にしてないね 」
葵… そうだよ、私も葵だけ見てるから。
「 葵がいいなら、いっか。俺は見守るよ 」
見守るって、雅くんも一応 当事者なんですけどね。
先生だから 大変なのかもね。
あの二人に好かれてもねぇ
好きが強すぎて先生の雅くんには困るのかな。

