お隣さんと内緒の恋話


葵が酢豚にあるパイナップルを嫌い、私の口には意外と合う。


「 雅にも食べさせようぜ 」

「 うん、食べさせるなら目隠しでもしちゃう?」


えへへ、イタズラみたいな?


「 するか!椿が言うな、そんなこと 」


あら…。

あらら? なんかヤキモチ的な感じするんですけど…



「 雅くんにヤキモチ?」

「 んなわけねぇし 」


あ、そう… とか言って~ ヤキモチだな。


そう話していると 葵と私の耳に 車のエンジン音が聞こえた。


「 雅だな、呼んでくる 」

「 うん 」



葵は帰宅した雅を呼びに部屋を出た。

私は キッチンへ行き 炊飯器からご飯をよそう。


「 椿ちゃん、ただいま!」

「 おかえりなさい、雅くん!」


私の部屋に入る早々、雅が嬉しそうに言い、私もそれに答えた。

ただ 葵が私の前に立ち、雅から私を隠すようにした。


「 椿に近づくな 」

葵?


「 葵~ まだ怒ってんのか?」

え、私のケガのことかな…

もう いいのに。



「 二人とも、ご飯食べよ!」


葵がお茶を入れて運ぶ中、雅が私を見て一言呟く。


「 ごめんな、ほんとに… 」


雅くん?

なんか、らしくないよ…