雅を待って食べようと 準備だけ先にする。
私は気になっていた。
「 ねぇ 葵、酢豚にある この黄色いのなんだろね? 雅くんが作った酢豚には入ってなかったよねぇ 」
「 ああ、なんだろな?食ってみる?」
パプリカかなぁ 確か黄色いピーマンみたいなのあるもんね…
箸で黄色いパプリカらしき物をつまみ、私の口元に差し出す葵。
「 え、なんで私?」
やだよ、わかんないの食べたくない~
「 椿が食ってよ、味見 」
「 味見って、毒味じゃん!やだぁ 毒味は葵の専門でしょ~」
「 はぁ? それは椿が作ったやつのだろ、早く あーん しろよ 」
うっ…
あーん とか言わないでよ~
それ 私のセリフだって。
押し黙る私に 口を開けろと催促する葵。
も~ 言われて あーん は恥ずかしいよ~
「 ほら、椿 」
「 …あーん。……ん!」
これっ!!
「 なに?」
「 パイナップルだよ、意外と合う~」
甘酢あんと パイナップルの酸味がなぜか合うよ、なんで?
不思議~
「 葵も食べてみて、不思議だから 」
「 不思議な味は嫌だ、無理!」
ずるっ 私だけなんて そうはいかないんだから。
「 おばぁちゃん… 葵たちのためにさ~…」
って言えば…
「 食べます!」
だよね。
「 …ん、俺は好きじゃない 」
えっ!マジで、味覚が合わないとは…

