葵を待ち、おばぁちゃんが夕食を持ってくるのも待っていると 香伊羅からのメールに気づいた。
あれ、香伊羅だ… 珍しい。
ん… 電話して?
「 …あ、もしもし 香伊羅? どうしたの~ 私が恋しかった? 」
『 違うよ。…椿、落ち着いて聞いてね、柚奈がA組の二人に文句投げてきたの、そしたら 椿と上山先生が誤解なら 椿の彼氏連れてこいって… だから 明日、上山ダサ男と一緒に、ね… 』
「 え~!? な、なんで? どして急に…
って、ちょっと待って! 香伊羅、上山ダサ男が私の彼氏ってなんで知ってんの!」
あっ!!
『 柚奈がペロッとね 』
ぺ、ペロッとーっ!
「 柚奈ぁ~ もう、もう!」
やっぱり柚奈 早まったな… ほんとにもう…
ほんとは嬉しいけど、そんなの後よ!
葵を傷つけたくないし、 どうしようっ
「 わかった、香伊羅、大丈夫… なんとかなるよ!またね 」
電話を終えると インターホンが鳴り、足を庇いながら玄関まで行く。
「 おばぁちゃん?」
「 俺。今さっき会って おばぁちゃんから夕飯受け取った、開けれる?」
「 あ、うん!待って 」
玄関を開けると 葵がお皿を二つ持っていた。
あれ、この匂い…
もしかして?
「 酢豚だよ、また食えるな!」
ぷっ、嬉しそう。
「 すごい てんこ盛りだね 」
「 雅の分もあるみたいだな 」
あ~ そっか。
ん? この黄色いのは、なんだ?
机に酢豚と天心を置くと 葵は前髪を結びだした。
あ… やだぁ、イケメン登場!
「 葵、カッコいいね 」
「 なに言ってんだ 」
もう、カッコいいねって言ったの~

