葵を木に押しつけ、私はあろうことか 葵を盾にして柚奈と来たばかりの壮真を盗み見る。
そして 私と葵が隠れている少し前にあるベンチに柚奈と壮真が座ろうと近づいてきた。
私は盾にしている葵の制服のシャツに顔を埋めるようにして隠れる。
「 あのさ… あ… ぶっ」
「 しっ!しーっ、しっ、しーっ!!」
私は葵の口を手で塞ぎ 喋るなと言葉を制した。
下目に見る葵を気にせず 私は聞き耳立てる。
「 柚奈、急用ってなに?」
急用って呼び出したんだ… 柚奈、わかりやすっ
「 うん、あのね… 話があってね… 」
柚奈、がんばれ!ズバッと言っちゃえ!
「 話?」
「 うん… 壮真がね、私… 好きなの 」
言ったぁ!!
柚奈、えら~いっ よく 言った!
好きだと言った柚奈に壮真の返事をと 葵に密着し聞き耳立てる。
呆れているのか何も言わず動かない葵をまったく気にせずいると、壮真が口開いた。
「 そっか… だと思った!俺も柚奈が好きだから 」
きゃあ~!! 両思い!
柚奈、良かったね… 良かったぁ
私は嬉しさのあまり、葵にグッジョブして見せた。
「 壮真… 私と付き合ってくれる?」
「 今 俺が言おうと思ったのに… 柚奈、俺と付き合お 」
いい!それいいっ!
壮真ったら… 男じゃん!
柚奈と壮真を見ると 壮真が照れる柚奈の手を握り見つめ合っていた。

