女4人の間には重く静かな沈黙が流れる。
「 話は?さっさと言って 」
「 あんたたち、上山先生の事 好きなんだよね?」
楓に言われ、逆に聞く柚奈に楓はムッとした。
「 話があるって言うから来たんだけど、あんた話す気あるの?」
美乃莉は柚奈を睨むように言った。
「 あんたたちが 椿と上山先生の事 誤解して 椿にケガさせたでしょ!」
「 椿… ああ。ケガしたの? ドジ~」
「 なーんですってーっ!! あんたねぇ 楓、美乃莉の色ボケコンビ、よく聞きなさいよ!
椿は、ちゃんと彼氏いるの、上山先生なんかじゃないの、わかる?
耳クソあるから聞こえないんじゃないの!」
「 なっ、なんなの あんた!ムカつく!」
柚奈の言うことに キレ出す楓。
美乃莉は柚奈に近づき、睨む。
「 な、なによ? 上山先生が椿をケガさせたの知ったら どうなると思う?」
「 上山先生にチクりたいならどーぞ? 私たちの上山先生は怒らないし、椿なんかより私たちを選ぶに決まってる!」
ずっと黙って聞いている香伊羅は 自分本意な二人に ただ呆れていた。
「 上山先生が あんたたちを選ぶ? あははっ笑っちゃうっての~ 香伊羅、この二人どうかしてる~ 」
「 あんた… いい加減 バカにすんのやめなよねっ!」
怒りキレる美乃莉は笑いながら言う柚奈に手を振り上げた。
それを見た瞬間、香伊羅は運良く 美乃莉の手を叩き制した。
「 …きゃっ!」
でも、その横で楓が柚奈の頭をバシッと叩いた。
「 柚!」
「 いたぁーい!ムッかつくー… この、ブス!」
「 あんたのがブスでしょーがっ」
柚奈と楓は言い合いながら互いに腕を取り合いケンカを始めだした。
「 楓!あんた離しなっ 」
「 柚奈っ…あんたらよくも 柚奈に!」
柚奈と楓のケンカに、香伊羅と美乃莉も参戦しだし、髪や制服、足を蹴り合う始末。
「 いい加減、上山先生ファン止めなさいよね!いったぁ、もう!!
上山先生なら あんたたちより椿を選ぶに決まってるでしょーっ 」
「 彼氏いるとか言っといて こんの嘘つき女ーっ!」
ギャーギャーとやり合う4人を 密かに雅は木を盾に見ていた。

