私が柚奈の行動を心配する中で、学校では授業を終えた放課に 柚奈は香伊羅に話をし一緒にA組へと行く。
「 柚奈、椿が怒るよ?私はいいけどさ 」
「 だって気がすまない!椿はケガさせられたんだよ、許せる?椿には 彼氏がいるのにっ 」
「 ちょっと待って、彼氏ってなに!いるの?」
しまったと口を閉ざす柚奈は 話をそらすようにごまかした。
私が葵と、つまりダサ男と付き合っている事を柚奈から香伊羅は知った。
「 柚奈、一緒に行くけど ケンカ越しはダメだからね? 」
「 大丈夫、大丈夫!私がケンカするわけないでしょ~」
「 あんただから心配なんでしょ…」
香伊羅も柚奈を気にしながら一緒にA組の教室に来た。
「 楓と美乃莉、上山先生ラブの二人はいるー?」
「 柚奈… あんたってわかんないわ 」
柚奈が大きな声で二人を呼ぶと、一斉に視線を浴びて 、その中から二人が 柚奈の前に出てきた。
「 誰 あんた 」
「 玉木 柚奈よ、ちょっと話があるの、一緒に来てくれない? 」
「 なんでよ 」
「 来ないなら言うわよ?」
何を言うつもりかと 内心 ヒヤヒヤする香伊羅は いたって冷静な顔つきで柚奈のそばにいる。
「 わかった、後で 」
「 OK。じゃ、体育館横に来て 」
そう言って 柚奈は香伊羅とA組から離れて行った。
香伊羅は少し呆れ、柚奈はやり返す気満々でいた。
教室に戻ると 壮真が柚奈を探していた。
「 柚奈!どこ行ってた、携帯置きっぱなしで… 」
「 壮真、ごめん。今日は先に帰ってて、あとで電話するから、ね?」
香伊羅は二人を横目に ため息つく。

