お隣さんと内緒の恋話


あまり眠れないまま夜が明け、時間は5時すぎ。

さすがにお腹の減りに負けて足をかばいながら冷蔵庫へ。

特に何もなく、冷蔵庫にあった卵を取りだした。


女なのに冷蔵庫が空なんて悲しすぎる…

卵は目玉焼きで~ あとはレンジでチン!
あと~ あ、カップのスープね。

ママと病院行ったら なんか買ってもらお。


とりあえず、私にもできる事をして作り食べる。

少し ぼうっとして携帯でエンタメニュースでも見ようかとすると、メールの返事が入っていた。


あ、ママじゃん…

ん?8時に迎えにくるんだ、了解~

柚奈は… 病院終わったらメールね、了解。



気になるのは葵のこと。

話したいが知られて心配かけたくない。

でも、ただ会いたい。


会いたい…

会いたい…


葵に会いたいっ


メール、してみようかな。


朝 7時前、私は葵に会いたくて メールを打った。

勘違いで楓と美乃莉にやられた事は許せないと思いながらも、私の気持ちが葵でいっぱいだ。

葵の顔を見れば 少しは気が楽になる、そう思った。


メールを送り、携帯を置くと インターホンが鳴った。


ん? 7時… まさか ママ もう来たとか?

早いっての…


「 はーい、今開けるから~」

ゆっくり歩きげんかんを開けると、ママではなく、葵が 立っていた。


「 葵!?」

あれ、ママじゃなかった…


「 椿… 」

葵だぁ、朝イチの葵だぁ~


ついつい素直な満面の笑みで溢れた。

それにしても、朝イチの葵だけに 葵の頭は髪があちこち跳ね上がり、いかにも起きて すっ飛んできたのがわかる。

笑えるに決まっている。


嬉しさで、たまらなく笑顔になる。


「 会いたかったぁ… 葵 」

「 俺も、椿に会いたくて… 」


嬉しいよ、ヤバい…