赤点だったと雅から聞いた葵は驚くが、雅を疑う。
「 雅、ほんとに赤点か?」
「 赤点、75点ね。あとは… 」
「 あと? なんだよ、言え 」
雅は椿との秘密にした約束を守ろうとした。
「 言わないならメシいらねぇ 」
「 葵~ 拗ねるな 」
そんな会話も兄弟ならではである。
「 葵、椿ちゃんはいい子だな。どこが好きなんだ?俺じゃなくて お前を選んだぐらいだ 」
「 なんだそれ、うぬぼれんな!メシ出来たら呼んでよ 」
「 はいよ 」
葵は部屋に行き、雅は夕食を作る。
そして雅は内心思う。
「 二人とも単純だな、可愛いねぇ。にしても どうしたもんかな、あの二人は… 」
雅は雅なりに楓と美乃莉の行動をどうすべきかと悩んでいた。
そして私は葵にメールを送信できないまま眠りに落ちた。
12時を回った頃、私は足の痛みで目が覚めてしまい起きる。
痛くてダメだ…
湿布あったかなぁ、薬箱は…
私は その時 大事な事を思いだした。
「 あっ!6時に荷物届くんだった!」
どうしよう、荷物… もう1回配達とかしてくれるのかなぁ
うわぁ、ドジった~
あ、葵にメールも遅れてないし…
枕横にある携帯を手にすると、着信を知らせるランプが点滅していた。
「あ… 葵だ!メールくれてたんだ 」
嬉しい、私送ってないのに…
葵からのメールを開くと、私は焦った。
『 赤点だったんだな、残念。あと、雅となんかあった? 椿の顔 見たかったな… また図書室で会いたい 』
私は葵のメールに涙が込み上げてきた。
私だって葵に会いたかった、今も 会いたいよ…

