お隣さんと内緒の恋話


アパートに満足して自宅のある団地に帰ろうと歩いていると、携帯が鳴り出した。


あ、柚奈だ。


「 どうしたの~? 」

『 今、入鹿公園にいるの… 壮真呼び出したの、椿も来て!』

「 えっ! 私も行くの?告白するんでしょ、私がいたら困るで… 」

『 いいから来てよ、見守って!フラれたらなんかおごって慰めて!』


柚奈~ なんて自分本意な…


行くからと返事しようにも すでに電話は切れていた。


なんで告白に立ち会うかなぁ…


私は柚奈の言う通り団地とは逆方向の入鹿公園へと走った。

途中 喉が渇いた私は入鹿公園手前にあるコンビニに寄り道した。



お茶か、紅茶… いや、お肌のためにビタミン?

ん~ あ、グレープフルーツいいかも!


手を伸ばすと同時に上から手が伸びて同じジュースを取ろうとしていた。

私は一瞬ためらうが、上からの手は躊躇も遠慮もなくジュースを掴んだ。


「 はい 」

「 え…… ああっ!!」

はい、と取ったジュースを差し出された私は相手の顔を見てビックリした。

「 か、かか、上山 葵!」

「 ほら、これだろ?」


なんで~ 朝といい、門といい、会いすぎじゃないの?


「 ありがと… 」

「 明日もサボるの?」


嫌みだ… 絶対にわざと言ってる!


「 サボりません!じゃあね 」


なによっ

そういえば 貸しとかなんと言ってたような…

ダメダメ!気にしたらダメ!