雅にからかわれ、私も恥ずかしさから言い返し、やっと自宅に帰ってきた。
「 葵には内緒にしといてやる。椿ちゃん 俺たち、秘密かかえちゃったね 」
「 変な言い方やめてくださいっ 」
「 はいはい。夕飯は別々のがいいだろ、さすがにバレるだろうしな 」
あ、そっか… おばぁちゃん家だから…
「 ですね、おばぁちゃんには言っときます。今日はありがとうございました、先生 」
「 おう。じゃあ また明日な 」
私は頷いて雅の車を降りて自宅に入った。
疲れた… 足痛いし肘も痛いし…
時間は7時前。
ベッドに座り 一息ついたところに携帯が鳴った。
あぁ、電話だ…
「 もしもし 」
『 椿、おばぁちゃんだけど 夕飯は食べにこないの?』
「 ごめん、今さっき帰ったとこで疲れちゃったから 寝たいの… せっかくだけど、ごめん 」
『 いいよ、いいよ、実は おばぁちゃん 老人会あるの忘れててね、悪いね 椿…」
なんだ、そっか… それならいっか。
「 いいよ、おばぁちゃん楽しんできてよ。また話聞かせてね、おやすみ 」
おばぁちゃんとの電話を終えた私は 痛む足を引きずるように浴室に行き シャワーを浴びて、冷蔵庫にある残りのお茶を飲む。
はあ… スッとした。
葵にメールしなきゃね…
携帯を手にベッドに横になると、メールを打ち始める。
…ただいま、葵。追試は75点だったよ。
またやり直しで ショック~
こんなんでいいかな、眠い…
葵にメールを送信しようにも 睡魔が眠りに誘う。
ヤバい、寝ちゃう…
その頃 雅と葵宅では、雅が葵のご機嫌を伺っていた。
「 葵、今日は 俺が作るからな。椿ちゃんはまた赤点で落ち込み中だ 」
「 は? 赤点って… 」
驚く葵に、雅は笑みを見せた。

