お隣さんと内緒の恋話


楓と美乃莉の言い分に 頭に血がのぼった私。

普段の私なら 避けて通るけど、無理だった。


「 あのさ、先生とは何っの関係もないし、さっき転けたのも 先生の足がひっかかっただけ!
わざとじゃないし!」


ほんとの事だし、雅くんも認めてるし。


「 …バカすぎる。あんたの言うこと嘘っぽいの、わかる? 密会までしてさぁ 先生も どうかしてんじゃないの~ 」


ちょっと、マジで腹立つ! 密会してないっての!


「 そういうあんたたち二人はストーカーみたいじゃん、バカらしい!」


私は 二人に言って歩きだし、楓と美乃莉の横を通りすぎようとした。

でも その瞬間、楓が私を横から思いきり突き飛ばした。


「 …きゃ、っ!!」


私は反動で倒れ、手をついた。

痛みが肘と足首に感じたが それどころじゃなかった。


いった……


「 ブサイクすぎ!あはははっ みっともな~ 」

「 ほんと すごい転けっぷりじゃん!笑える 」


なんなのよ、最低っ…

っていうか、足 捻ったかな 痛い…


「 今日は許してあげるけど、上山先生とまた密会なんかしたら許さないから 」


美乃莉が言い、楓は私のかばんを蹴飛ばし、二人は帰って行った。

私は肘を支え、足を引きずるようにして かばんを手に 雅の待つ駐車場に何とか向かう。


柚奈や美耶子が言ってた通りだったな…

あの二人、やり過ぎ…

玲音の勘違いどこじゃないよ、こんなの…


ひどい。


でも、雅くんには黙ってなきゃ、バレないように…

じゃないと葵にまで心配かけちゃう。

負けないんだから、こんなの!