お隣さんと内緒の恋話


彼氏がいてドキドキするって、罪かな…

雅くんが先生じゃなかったら、私 どうしたかな?

今の今なら 恋したかな…


「 はい、終わり! 」

「 あ、どーも… 」


絆創膏を貼ってくれた雅をなんとなく見ていると、葵が頭をよぎる。


葵と似てるけど… 性格は違うよね。

雅くんも当たり前に優しいし… 先生だからとかじゃなくて。

みんな雅くんに憧れて好きなのに…

なんで私、雅くんに惹かれなかったのかな。


「 椿ちゃん、一緒に帰ろっか。校舎裏にある職員の駐車場わかる?」


送ってくれるの!ラッキー


「 あ、でも 送ってもらっていいのかなぁ 」

「 一応 ケガ人でしょ。実はお隣さんだしね 」


そうだよね、もしかしたら葵に会えるかも!


雅が職員室へ行き、私は保健室を出て職員の駐車場へと向かう。

玄関口から出てすぐに、私の前に立ち塞がる人物がいた。

まるで仁王立ちに腕を組んで私を睨みつけている。


あ、A組の… まだ帰ってなかったんだ。


「 あんた織原さんだっけ、何してたの?」

何って、知ってるくせに。


「 転けてたの見たでしょ、ほら、頭に傷 」

私は前髪を上げて絆創膏を見せた。


「 嘘つき… わざと転けたでしょ!」

「 は? そんなわけじゃないでしょ、なんでわざわざ自分で転けなきゃいけないのよ 」


マジで痛かったんだから!

だいたい あれは雅くんの足が…


「 上山先生を独占するつもりでやったんでしょ?浅知恵すぎ 」


なっ…

なんなのよっ あったまきた!!