私は雅の言葉に驚き焦った。

まさか、まさか私が赤点取ったなんて ママたちに言えない…

わざとじゃないけど ダメ、理由にならない!


「 椿… 見せて 」

えっ…

「 ちょっと、葵!?や、ダメ!」


見ちゃダメー!!


いとも簡単に私の手から答案用紙を取った葵が 呟いた。


「 25点… 椿、マジで?」

「 そんなわけないでしょ!たまたまよ、だってこの時 笑里から… 」

「 はーい、そこまで。理由はどうあれ立派すぎる赤点につき補習決定!簡単な問題だったのに…他にもいるから明日は一緒にがんばろうな 」


ウソでしょ… 誰か、ウソだと叫んで!

25点なんて前代未聞…


「 椿、これは良くないから しっかりやれよ 」

「 葵…」


なぜ そうなる?

俺が教えるから…とか、俺が待っててやるから…とか、なんか言ってよ~


「 椿ならドン底から這い上がれる!がんばれよ、椿 」


頭をポンポンとする葵を、私は悔しくて仕方がなかった。


葵のバカ~

何が がんばれよ…

真面目にも程があるでしょうが!


「 じゃあ 私 そろそろ帰ります…」

テスト… すごいショックだぁ

とにかく、他にもいるって言ってたし なんとか頑張んなきゃ!


「 椿、またな 」

いつの間にか前髪を下ろし、ダサ男に戻った葵は笑顔で私を励ました。


「 うん!」


はぁぁ~…

私は肩を落とし シュンとしながら隣の自宅に帰った。