主に会う時以外は楽しくて仕方がなかった
本来の目的まで忘れるまで楽しかった
けど、そんな生活は長くは続かなかった
ー12度目の夏
それはあたしの人生が大きく変わりだす夏の事だった
いつものように
あたしはお琴を弾き
麗さんは寝ていて
空さんはあたしのお琴を聞いていた
ギィィィィィ
鈍い音が聞こえあたしは手を止めた
主が来た
暗いこの空間に変な緊張が走る
「お前たち、今夜から仕事だ。しっかり働けよ。」
主は突然そんなことを言うとあたしたちの元へ来た
「まずは鈴。見た目を綺麗にしないとな。おいっ!」
あたしを見て主はきたところに向かって声をかけた。
すると初めてみる人間たちがやってきた
「こいつを綺麗にしろ。」
「承りました。」
数人の人間はかこいの中に入りあたしを逃げないように押さえ込んだ。
それからは突然のことでよくわからないかったけど、大量のあったかい水であたしの体をこすられ、人間が着るような着物を着せられたのは所々覚えてる。
全部済むとあたしは再びかこいの中に入れられた。
いつの間にか茜色の光が真っ暗なこの空間に差し込んでいた
「もうそろそろだな。」
主はそう呟くと先程の人間たちに何かを言っていた。
言い終わると人間たちはあたしたちのかこいを引っ張り外へと出そうとしていた



