(…はて。何故人間が我輩の言葉が分かるのだ?)
そういえばそうだ。
狼だとしても、鳥の声なら聞こえないはず。
虎とか、熊とかの動物の声なら聞こえるのに…
これも籟様がしてくれた力?
それなら嬉しい。
「あたし、虎…話せる。鳥、話せない…。けど、籟様の力…で、話せる。」
(らい、さま?あ、あいつのことか?)
「知ってる?」
(知ってるも何も、先程あの人間に捕らえられる前に大きな鷹に会うてな。その鷹が籟とかいってたからな。)
「近く…いる?」
(さあ?伝言を頼まれてな。多分、鈴鶫にだと思うが。)
籟様があたしに伝言?
なんだろ。
(確か、
"わしは籟。お主に折り入って頼みがある。持ってあと五年。時間は限られておる。って、人間の女に伝えてくれ。今からお主が行くところにいるだろう。頼んだ。"
って言われたぞ。)
「持って、あと五年?…分からない。」
(あれは、鈴鶫のことだったのか…。おい。)
何かを思い出したように麗さんはあたしを呼んだ。
「はい…?」
(俺もそんなことを鷹に言われた。名前は忘れたけど。
"もし、その人間に会えたとしても正体を明かすんじゃない。自分から明かしてはいかん。"
って言ってた。)



