(……!人間の声…)
声のする方はあたしが来た道の反対だった
あたしは少しずつ人間にも狼にも気づかれずに声のする方へと向かった。
そこにいたのは先生くらいの若さの女の人と男の人だった
「お前が好きだと言っている。」
「好きってどんな気持ちなの?」
好き、か。
あたしも知りたい。
「苦しいか?」
「うん…」
(はい。)
「けど、その苦しさは悪くはないだろ?」
「うん。」
(はい。)
何故だろう男の人がいう言葉が全て当てはまる。
あたしもあの女の人も
「それが好きって言う気持ちだ。」
「だったらあたし、貴方のことが好き」
女の人は男の人にくっついた。
好き、好き好き好き好き……
あ、そうなんだ。
曖昧な気持ちがはっきりと分かる。
(あたしいーくんのことが好きなんだ)
あたしは無我夢中で何処かに走り出した
いーくんに会いたい
会いたい、会いたい会いたい…
この願いを叶えたい
(籟様、ならなんとかしてくれる!)
籟様に会って人間にしてもらおう
人間になってずっとずっといーくんの側にいたい



