時は少し経ち
ーあたしが生まれて6度目の夏
(流石、鈴鶫。あの狩りは見事だ。)
(それに、誰よりも美しい綺麗な毛並みだ。素晴らしい…!)
(鈴鶫ちゃんの牙素敵!)
あたしは皆から沢山、毎日褒められるようになった
(ありがとうございます。)
あたしはその度に皆にお礼を言う。
褒められるのは嫌ではない
寧ろ嬉しい。
けど、あたしは褒められる度に少し虚しくなる
こんな牙なんかいらない
こんな毛並みなんかいらない
そう思う
けど、あたしは狼なんだから仕方ないんだ。
また少し時が経ち
ーあたしが生まれて8度目の秋
(鈴鶫さん、今日も素敵です)
(いつ見ても美しい…!)
何時ものように皆は飽きもせずあたしを毎日褒めてくる
(……あ、ありがとう…ご…ざいます)
お礼を言うのも嫌になってきた
皆の姿も自分の姿も見たくない。
何もかもが嫌。
狼なんか嫌だ。
そんな気持ちばかりが雪みたいに積もって行く。
また時が少し経ち
ーあたしが生まれて10度目の冬
あたしたちの一族は他の一族の狼とは違い冬になると毛の色が灰色から真っ白へと変わる。
だから、雪の色と同化して狩りがしやすくなる
そして、



