「……っぅ。」
痛みで現実に引き返される
あぁ、俺も死んでしまうんやな
頭が先程より何も考えられなくなってきた
それに
「ふく…ちょ…う、すみま…せん…が、ねて…てい…いで、す?」
「…っ、駄目だ寝るんじゃあねぇ!」
「…すいま…せん。…これ…だ、けは、どう…しょうも…でき、な、い…です。ふくち…ょ、う…今まで…おせ…わ、に、なり、まし…た。」
「山崎!」
副長に頬を叩かれたりと、一生懸命起こそうとする
けど、副長のそんな行動とは裏腹に俺の睡魔は強くなるばかり
せめて最期くらいは笑っていたい
鶫がいつも笑ってたように笑ってたい
結局、鶫に想いを告げられず終いやな
『好き』の一言くらいいえばよかった
まぁ、ええは。
次会うた時の楽しみにしとこ。
それまで俺はぐっすり寝よか。
「………」
「山崎?」
「……」
「…っ、ご苦労。お前はよく働いてくれた。よく、休んでおけよ。…山崎。」
『鬼』と呼ばれた新選組副長こと土方歳三は一筋の涙を零し泣いていた
土方は山崎の頭を童のように撫でてやる
「はっ、珍しいな。お前が笑ってるなんざ」
土方は山崎の笑顔を見てる自然と涙が収まって何時もの不敵な笑みを浮かべた
山崎丞〜最期〜
ー完ー