「…よし、書くか。」


俺は、最愛の人に文を書こうと意気込んだ





文をもらったことも、書いたこともない俺はかれこれ二刻と真新しい紙を睨んでた



「あ"ー!!」


まだ何も書いてもないのにその紙をくしゃくしゃに丸めて壁に投げつけた


「くそ…っ!」


今日中に書かなければ書く機会がなくなってしまう


何故なら今日は久しぶりに取れた非番


運良く今日は何もすることがなかった山縣さんに鶫を託すことが出来たから


夕暮れ時には山縣さんと鶫が帰ってくる


それまでに書かないといけない


ガラ


「おう。」


「…伊藤か。」


「なんだ?珍しくへこんでるじゃねぇか。」


なんでこいつが来たんだろうと俺は思う


娯楽といえば女と遊ぶことだと思ってるこいつが。



心の中で毒付いてると俺は何かを思いついた


「おい、お前は確か恋文とか書いたことあるんだろ?」


「あるけど。いきなりどうしたんだ?」


女と戯れてるこいつは、恋文とかを書いたりしそう。