その頃のあたしはまだ何も分かってなくてただ、以蔵さんと仕事出来て嬉しくて浮かれててあまり深くは考えなかった
ただ、以蔵さんを守れてばいいと
「…大切な人が殺されてから気付くってあたしは馬鹿ですね。」
「あぁ、お前は馬鹿だ。」
「…っ!」
あたしの独り言に答えるように誰かが答えた
声のした方をゆっくり振り向いた
「あんなことをした俺も悪い。が、なんの計画もなしに屋敷を飛び出すな。あいつらが心配してた。」
「…った、干城さん。」
「しかも適当にこの森の中を走り回って迷うとか、どれだけ馬鹿なんだ?」
痛いところばかり突く干城さん
それよりもなんでここに干城さんが…
「あいつらが探せってうるせーから俺がここにいるんだろ?」
あたしが聞く前に干城さんは淡々と答えた
そんな態度にあたしは苛つきが芽生えた



