「あぐりちゃんは、舌を噛み切って死んでしまうし…!」
あたしは悔しくて唇を噛んで土方さんを見た
「あぐり…?何処かで聞いたことある名だな。うーん…」
「どうした?」
永倉さんは腕を組んで何かを思い出そうとしていた
「…っあぁ!そうか!あぐりってのは佐々木の恋仲か?!」
「えぇ。そういえば、愛次郎さんは新選組に入ってましたね。」
「…は?ちょっと待て。佐伯は佐々木とその恋仲のあぐりって奴を殺したのか?」
「佐伯さんが殺したのは愛次郎さんだけです。あぐりちゃんは自害をしました」
「そうか…。辛いことを思い出させてすまんな。」
近藤さんがあたしに謝ってきた
「辛い?この事が何故辛いのですか?」
「お前…っ!」
土方さんは今にもあたしに突っかかりそうだ
「確かに、あたしは辛かったです。けど、ずっと探してきた人たちを全て失う方が辛いですから。」
あたしはそう静かに言った
「全て…って?」
「その言葉の通りですよ。小さい頃好きだった男の子がいたんです。それにその子の友人や先生もいました。あたしはその人たちを探すためにここにやってきました。勿論、見つけることが出来ました。」
今でも覚えてる
以蔵さんと先生に出会った頃の時を
龍馬さんと慎太郎さんに助けてもらった時や再開をした時のことを
あたしは今でも鮮明に覚えてる
いや、忘れない
「見つけることが出来て想いを遂げることも出来ました。一緒に暮らすことも出来ました。けど、あの御所以来その人たちとはまた離れ離れになるし、記憶なくしてしまったんです。」
「話の腰を折ってすまないのだが、君は御所に参加してはいたのか?」
「…勿論です。ただ、あたしの場合は敵味方などはいませんでしたから。ただ、あの人を捕らえて行くのを見て悔しくてただ斬っていただけですから。」
「あの人とは?」
「…岡田以蔵、それに武市先生。2人は先程言いましたように、小さい頃一緒にいました。」
ポロリと涙が一滴溢れた
それでもなおあたしは話せる限り話して行く
「…許せないんです。貴方達が!新選組が!あの時、池田屋を襲撃しなければ御所でのことはならなかった筈です!!!確かに天子様を誘拐しようとしてた長州も悪い。だけど、長州藩士の全員が悪い訳ではないの!許さない許さないから!返してよ!以蔵さんを!先生を!」
あたしは近藤さんに突っかかり上下に揺らした



