鶫と脱藩した藩士たちがいる部屋から出て、空き部屋へと俺は足を運んだ


「…はぁ。」


適当な場所に腰掛け、それと同時に溜息が出てしまう


「自分の身は自分で守る…か。」


先程鶫が言ってた言葉が頭でいっぱいだった


「本当変わってる。」


噂では聞いたことがある


岡田以蔵の女は変わってる、と。


そこらの女より強いし、
そこらの女より相当の覚悟がある

まるで武士のようだ、と。


俺はどんな女か興味があった


そいつに会ってみたかった


けど、御所での騒ぎ以来行方が掴めてなかったらしい


それが坂本さんたちが暗殺された日に会うとは思っても見なかった


最初は弱そうなただうっとおしい女かと思った


けど、一緒に手当てして行くうちにこいつがあの"岡田以蔵の女"だと分かった