「なっ…!誰かにやられたのか?」
「はい。そうですけど?」
「はぁ?!誰にやられたのか覚えてるのか?」
あたしの肩を持ちガクガクと揺らす干城さんはいつになく必死だった
「いえ、覚えてませんけど…」
「男か?女か?」
「えー…っと?」
干城さん、何か勘違いしてません?
先程から干城さんはあたしの思ってる事となにやらズレてますし…
「女に暴力振るうとかあり得ないな!」
「えーっと、干城さん。何か勘違いしてません?これは仕事の時にやられた傷ですよ?」
「はっ?!仕事の時?もっとややこしいじゃないか。鶫、お前はどこで仕事してたんだ?今からでも行くぞ!」
「…っクス」
「なんだよ、お前。何呑気に笑ってるんだよ。」
初めて会った時は怖くて乱暴な人だと思ったのに
本当は
不器用な優しさで、何より人思い
「…っふふ。」
「だから、なんで笑ってるんだよ。」
「干城さんのいいとこ見つけました。」
「は?」
「本当はあたしの仕事は、武市先生の命令で以蔵さんと辻斬りやら、追い剥ぎ等を退治するんです。その時に出来た傷ですよ。」
「…。」
「それなのに、干城さんは勘違いして全然逆のことに話が進んで行くしで…。なのに、干城さんはあたしの心配をしてくれる。本当は優しくて、人思いな人だなと思って。」
思い出したら、やっぱりなんだか面白くてあたしは小さく笑った



