会いたい。~それは2度と叶わない願い~


あの時、以蔵さんが言った


ー『お前にとって俺は飼い主、だろ?』


と。


あの言葉の意味に今の今まで不思議に思ってた。


今慎太郎さんの言葉で何と無く意味が分かってきた


ううん、何と無くじゃない。


確かに分かった


あの前に以蔵さんが寝てる時にこっそりあたしが言ったことを聞いてたんだ


それで、思い出して術が解けたんだ…


「…うん。自惚れ…てもいいかな…?僕たち、の…ところに、…戻ってきた、んだよ、ね…?一緒…にいたく、て…。」


「はい。慎太郎さん、自惚れてもいいんですよ。あたしは、あたしは…



慎太郎さんたちに会うためにこうして
人間になったんですから。」



だから、慎太郎さん。


自惚れてもいいんです。


自惚れて下さい


「…っはは。なんか…不思議だね。こうして…君と、話せる…なんて…っつ。」


「慎太郎さん!」


慎太郎さんは痛そうに顔を歪ませて、もがいた


「今日はここまで。中岡さん、話しすぎです。」


「…っぅ。」


「中岡さん。貴方は、瀕死を負った怪我人なんですから。いいですか?」


「…っはは。まさか、君に…くっ…、怒られる…とは…ね。」


「はいはい。」


干城さんは手際良く慎太郎さんの手当てをした


慎太郎さんの血は収まらず、血は出てくるばかり


それに意識も朦朧としている慎太郎さん


「…っ」


昨日はそう深くまで考えてはなかったのに

今、

よく考えたら慎太郎さんは生死を彷徨ってる


それも危ない橋を


あたしはその場にいても立ってもいられず足が勝手に逃げ出した


逃げ出したらいけないのに


体が


あの場にいたくないとでも言ってるように体が勝手に動く。