狭い裏路地から抜けるとそこは人が全くいない橋についた


「……」


この橋は、京を抜けるために使われるうちの一つの橋。


橋の近くに買ったばかりの菊をそっと置く


そのまま手を合わせ目を瞑る


「愛次郎さん、あぐりちゃん。お久しぶりです。あたしです。鈴鶫です。」


そうここは2、3年前に佐伯さんに殺された愛次郎さんとあぐりちゃんの最後の場所


そろそろ二人の命日が近づいている時期


昨日そのことを思い出して、急いで土方さんに外出許可をもらい勝手場が使えるようにしてもらった


まぁ、でも


外出許可は丁度土方さんに強制的にもらわされたけど。


「2人が殺されてからあたしの人生は大きく変わったんです。会いたい人に会えたんです…っ。…ぐす、大切な人も増えた…っ。」


涙で視界はぼやけるし、声がうまく出せれない