ざわざわ


昼時の町は当たり前のように賑わっていた


もちろん人間が沢山いる


その中にあたしは混じって歩いていた


おにぎりと菊の花を持って


誰かに追われながらあたしは歩いていた


西本願寺の方から出て少ししてから、後ろにずっと追われている


あたしが試しに止まると後ろの人も止まる


「……面倒です。」


独り言のように呟きあたしは後ろの人を撒くように歩いた


暫くすると後ろから気配は消えた


あたしはホッと息をつき目的地へと通じる裏路地へと足を運んだ。