あたしは雨の日が1番好きだけど、この暖かい雨は嫌い
(…泣き止んで下さい。また会いに行きますから)
「………っく。」
あたしはそっといーくんの雨を舐めた
その雨はしょっぱかった
(いーくん…)
「……ありがとな、鈴鶫。」
(……っ)
始めて人間に言われた言葉
とても胸が締め付けられた
いーくんは立ち止まりあたしを地面にそっと下ろした
「また遊びに来いよ?」
ガウっ
(もちろんです!絶対遊びに行きます!)
あたしは一人一人の顔を見た。
忘れないように、と。
「これお守りとして持ってて。」
そう言って渡されたのは布切れ。
その布切れはいーくんの匂いがたっくさんついてて安心した。
いーくんはその布切れをあたしの首にきつくないように巻いた。
「またな。」
「さようなら。」
「ま、また遊ぼうね!」
「怪我しないようにして下さいね。」
あたしに声をかけると元の道に引き返して行った。
姿が見えなくなったと思ったら、母様の声が聞こえた
(やっと、見つけた。)
(は、母様っ!)
あたしは母様に駆け寄った。



