1月のある日のこと


土方さんが幹部の皆さんとあたしを広間へと呼ばれた。


あたしも、皆さんと一緒に広間に呼ばれるのは最近頻繁。


少しでも記憶が戻れるような話があるかもしれない、なんだとか。


そう提案したのは伊東さん。


あたしの記憶が戻る為に

けれど、本当は

あたしに少しでも情報をくれる為


毎回参加してはいるけど、今のところいい情報はない。


けど、その日は違った。


「薩摩と長州が手を取りやがった。」


土方さんは静かにそう告げた。


「……っ。」


あたしは驚きすぎて息をするのも忘れる


「詳しくはわかんねぇが、薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎が手を組んだらしい。そして、その仲人をしたのは坂本龍馬だ。」


りょ、龍馬さんが?!


そんなこと…


「土方さん、それ本当なのか?!」


「平助、落ち着け。それは本当だ。事実だ。」


「け、けどよ!薩摩はあの御所の時、会津と組んでたじゃ!薩摩は会津の仲間になったんじゃ!」


違うの平助くん


確かに薩摩藩は会津藩と手を組んだ。