「…ってことで誰か、いい案はないか?」
「はい。」
「伊東さん、何かいい案が浮かびました?」
「記憶を思い出させるのはいいけど、もし思い出したくないような記憶だったらと思うと、私はその計画に反対よ。」
そう伊東さんが告げると、少しざわついてた広間が静かになった
「確かに、伊東さんの言ってることは間違っちゃいない。だが、いつまでもここに置いておくわけにはいかねぇんだ。」
副長はそう伊東さんに言い返した
「あいつは女だ。女を危ない所に置いておくわけにはいかねぇ。はっきりいって、邪魔だ。」
「…けど、土方くんも知ってるんじゃないかしら。鈴さんの剣の腕を。」
なぜ、伊東さんが鈴の剣の腕を知っているんだ?
あ、そうか。
鈴が伊東さんに話したのか。
「それとこれとは別だ。いくらあいつの剣の腕が強くても、あいつは女だ。」
「そう。ま、いいわ。とにかく私は反対よ。」
「…ッチ。悪りぃが、伊東さんの意見だけじゃこの話し合いは決まりそうにない。多数決だ。」
そう言って俺たちは多数決をした
鈴の記憶を取り戻すのに反対か。
それとも、賛成なのか。
結果は
「多数決で決まった。文句は言うなよ。記憶を取り戻すと言った計画は一旦中止にする。」
1人の差で反対になった。