髪にはもう付けられないけども、こうして巾着の中に入れたら身に付けてるようなものだから。


「鈴。」


「なんですか?」


「今度、新しい髪飾り買ってやるから。その、…元気出せ。」


「山崎さん、ありがとうございます。」


あたしは座ったまま頭を下げた


「ん。よかった。」


「けど、髪飾りは」


「じゃ、後で夕餉持ってくる。」


「はい。あの、あたし髪飾りは、」


「寝るなよ。夜が寝れなくなってもしらないからか。」


「はい。そうじゃなくて、あのですね?」


ピシャッ


山崎さんは立ち上がって、また部屋から出てった。