「あたしも好きです。ずっとずっと、昔から…。」
何時もより鈴が女っぽく見えた気がした
それに、俺じゃない誰かに溶ろけそうなほど甘い声で愛を告げる
俺はたまらなく悔しかった
記憶のない鈴がふとした時に、想い人がいるみたいなことを言うことを聞いた時もそう。
悔しい
俺やったら、鈴にこんな悲しい思いも辛い思いもさせへんの
なんで、俺やないん。
悔しくて俺は口付けをまた落とす
今度は甘くて柔らかそうな鈴の唇に。
起きないようにそっと何度も口付けを落とす。
「…っ、鈴…。」
一度したらやめられないほど狂わす
俺は無我夢中で口付けをした
「……っ、う…ぅ。」
「……!」
鈴が起きるような声がして、俺は飛ぶように離れた
「…ぅ、…。や、山崎さん?あれ?あたし、寝てました?」
「…あ、あぁ。」
「そうなんですね…、ふわぁ…」