「いーくん、ずるいよ!僕にも抱っこさせて!」
「駄目。鈴鶫は俺のだから。」
いーくん…?
鈴鶫?
知らない名前が聞こえてくる。
「こらこら、鈴鶫ちゃんの取り合いは駄目ですよ。ね、鈴鶫ちゃん。」
大人の人間があたしを見ながら聞いてくる
す、すずね…、ってあたしの名前?
あ、あああたし名前もらった…の?
あたしは本当に嬉しかった
たとえ嫌いな人間でも、名前をもらったから嬉しかった。
「…あ、そういえば俺の名前知らないよな?鈴鶫。」
あたしはその話に応えるように吠えた
ガウっ
「俺は岡田以蔵。鈴鶫の飼い主。」
「あ、いーくん、話そらした。全く。あ、僕は中岡福太郎。よろしくね?」
「……ぼ、僕は坂本龍馬。…よろしく。」



