「…っ、何故以蔵さんの名前を知って…っ!」
あたしは言葉をつぐみ口元を抑えた
「記憶なんか失ってはいないじゃないですか。」
「…っ。」
「大丈夫ですよ。私は誰にも言いませんからね。」
え
この男は何を言ってるの
「貴女の事は噂で、新選組の1人を殺したと聞きましたからねぇ。それに、その人に恨みを持っていたんでしょう?」
…佐伯さんの事だ。
「今でも新選組に恨みを持っているのなら女中として、近藤勇を暗殺することは可能ですからねぇ。新選組を潰したいのでしょう?」
「…っ。」
「私も同じなのですよ。」
あたしから少し離れてったが、体勢は変わらずだ。
「私も新選組を潰したいのですよ。私と交渉しませんか?」
「交渉…?」
「私は私なりに新選組を潰すの。だから、そのためには準備が必要なのよ。その手伝いをしてくれるかしら?私の手伝いをするだけで新選組は潰せるわよ?」
「……分かりました。ただし、あたしのことはくれぐれも内密にお願いします。記憶が戻っていることも。」
「ええ、もちろんですよ。交渉成立、ですね。」
男は怪々しく笑った



