以蔵さんたちの為

自分の為


守るためには『嘘』をつかなければ、守れたとは言えない


「……もし、お前が『鈴鶫』だったら俺はどうしたらいいんだ?」


え?


「どっちの味方に付けばいい?反幕派の者たちの方か?それとも、新選組の方について……っ、はぁ。考えんの、やめや。おやすみな、鈴」


そういうと山崎さんはあたしからそっと離れた


そして直ぐに聞こえる寝息


「どうしてあたしの名前を山崎さんが知ってるの…。それに、『どっちの味方につけばいい』って…」


あたしの小さい呟きは静かな部屋に響いた


何がどうなってるの…
何が起きてるの…


あたしは驚きを隠せないでいた


この部屋にいては、山崎さんが起きた時に聞かれてしまう。


あたしはそーっと、部屋から抜け出した