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「何かあったら俺を呼べよな?」
「はい…」
「安静にしとくんやで?」
「はい…」
山崎さんが用意してくれた布団の中に入り横になった
山崎さんが部屋を出るとき、何度も何度も同じことを繰り返し言っていた
ピシャッ
ようやく山崎さんが部屋から出た
「はぁ……」
長いため息が出た
(嘘を突き通すのも大変だな…)
チリンチリン
あたしは髪飾りをとり出した
「…以蔵さん。」
ポツリと名前を呟く
返事は返ってこず、あたしの声が虚しく部屋に響く
目がだんだんとぼやけてくる
「会いたい…っ、以蔵さん…。」
ポロリと一滴涙が流れた
あたしの涙は布団につきシミをつくる