「はぁ…」


前の話し合いの時を思い出してしまい思わず溜息が出た


「どうしたのですか?」


「いや、何でもない。」


「そうですか。」


非番の日、俺は部屋に籠っていた


同じく鶫も部屋に籠っていた


チラリと鈴を見ると、髪飾りをずっと眺めて何か考えごとをしていた


「なぁ、出掛けないか?」


そんな鈴の顔が泣いている見たいで、たまらなく胸を締め付けられた


だから、鈴を気分転換させようと誘った


鈴は一度こちらを見て、手に持っている髪飾りへと視線を移した


「…いえ、あたしは出掛けません。」


鈴は俺の顔をみずにそう告げた


「いいから、出掛けるぞ。外に出て陽に当たらないといけないだろ、鈴。」


「…は、い。」


鈴はこちらをやっと見て返事をした


また怯えてる


やっぱり『鈴』って呼ぶとそうなる


火事の件で一体何があったんだ?


それとも


他に理由があるのか?


俺は一つ疑問の種が植え付けられた