翌日の朝、と言っても人が全くいない時間には行かない


人混みができるほどの人の多さの時間帯にでようということになった



けど、出ようとした前


ドォン


と大きな音がなった



藩邸の中が途端に騒がしくなった


「高杉、何があったんだ?」


「さあ、知らない。けど、一つ分かるのは来島らが動いた。」


「……っ!」


「以蔵、鶫このままではまずいですね。見廻組の連中が京の至る所に巡回しそうです。急ぎますよ!高杉さんたち、ご無事で。」


「はい!高杉さん、今までありがとうございました!皆さんにもお伝え下さい!」


「世話になったな。」


あたしたちは京の町を急いでかけて行った


走って走った


京の外れを目指してあたしたちはただ走った


「以蔵、鶫、隠れますよ。」


先生がいきなり止まり別の方向へと走り出した。


目の前を見ると見廻組らしき人たちが居た


あたしと以蔵さんは頷くだけ頷き先生について行った


けど、行くところ行くところに見廻組がいて下手に動くことすら出来なくなった


それにすぐ近くの御所では斬り合いになってたりしてる


「鶫、大丈夫だ。」


そっとあたしの手を握ってくれた以蔵さんは笑いかけてきた。


あたしも以蔵さんき笑いかけた


「はい。」


そんな時だった


グサ


軽く肉が切れる音がした


「え…」


どさりとさっきまであたしに笑かけてくれた以蔵さんが地面に倒れた


「以蔵、さん…?」


あたしは以蔵さんに手を伸ばした。


が、


それすらできなかった


「おっと、女はこっちだ。」


後ろを振り向くと見廻組の奴らがいた


あたりを見渡すと先生はすでに見廻組に捕まっていて、以蔵さんもまた捕らえられていた。


「以蔵さんっ!!」


「…つ、ぐみ…、大丈夫、だ。」


以蔵はいたそうに顔をゆがませながらもあたしに微笑んだ。


出血してる血は少ない


手当てしたらすぐに以蔵さんは治る


だから、



「此の手を離してください!以蔵さんに手当てをさせて!」


あたしの手を掴んでる1人の男に訴えた


「無理な話だな。」


そうこうしているうちに先生も以蔵さんも何処かに連れて行かれる


「いや、行かないで…!
置いていかないで!!」


また少し遠ざかる


「先生っー!以蔵さんっ!!
待って下さい!
あたしを、


また置いて何処かにいかないで!

遠くにいかないで!!」


もっと遠ざかる


「いやァァァァァァァ!」


あたしは力のある限り拘束から逃れた


「待って下さい!!」


行かないで


「待って下さい…」



いくら走っても走っても以蔵さんと先生は何処かに行ってしまった


あたしに残されたのは


刀ともらった髪飾りだけ


先生にもらったモノと
以蔵さんにもらったモノ


あたしはそれらを握りしめた


「…許さない」


あたしはさっきの人に向かって刃を向けた


「ぐわぁ!」


急所を狙って即死させた


「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない…っ!」


あたしは刀を握り直し御所の方に駆け出した