「あ、いーくん!」
「いっちゃった…。」
「いーくん、変わったね。」
あたしをチラチラと見ながら2人は話し始めた。
「福太郎?」
「この子が来てから前より丸くなったんだよ?分かる?」
「僕は分からないかな…。だって、いーくんはこの子とずっと一緒にいるから。」
「たまに僕、この子を撫でてやった時、あのいーくんがね、
『よかったな。』
って、笑ったんだよ?」
そう言ったきり、2人は話さなくなってあたしを見た。
「福太郎…。あの犬飼いたい。いーくんに、もっと笑ってほしい…。」
ふと、袖をぎゅっと握ってて不安そうにあたしを見た子がそう呟いた。
「あははは。」
「ぼ、僕、何か変なこと言った…?」
不安げに聞いてくる子は、まだ笑っている子に話しかけていた。
少しの間笑っていた子は、お腹が痛いのかお腹あたりをさすっていた。
「りょーくん、この子は犬じゃなくて狼だよ?」
「えぇ?狼?」
「うん。昨日ね先生に教えてもらったんだ。」
「いーくんも知ってたの?」
「そーみたいだよ。知らなかったのはりょーくんだけだよ。」
「薬持ってきた!」
2人が話していたその時あの子が手に見覚えのあるものを持ってこちらに走って向かってきた。
「こらこら、走ったらこけますよ。」
「「先生!」」
先程までいた2人は、後から来た人間に向かって行った。



