会いたい。~それは2度と叶わない願い~



前から提灯を持った人たちが5、6人やってきたら


「鶫はここで待ってろ。」


以蔵さんはあたしを裏路地へと隠した


「けど、」


「いいから待って。」


「……はい。」


あたしは以蔵さんの言うとおりおとなしく待った



それから少しして嫌な音が響いた


「……」


あたしはただ、待った


以蔵さんの帰りを



「……っ、鶫、待ってて、えらい、な。」


「以蔵さ……っ!」


以蔵さんが帰って来たと思ったら、血だらけで顔や腕、見えるところに怪我を負っていた


「早く帰って手当しましょう!」


「まだ、帰れない。先生、の頼ま、れ事だから…。」


「………っ。」


涙が出そうになった


今の以蔵さんは前のあたしみたいで


以蔵さんは先生に逆らえないんだ
あたしは主の命令に逆らえない


「体を治すことが大事です。」


あたしは真っ直ぐ以蔵さんを見上げた


「…ったく、お前は。」


「わわっ!」


いきなり以蔵さんに髪をぐしゃぐしゃにされた


「帰ってもいいが、俺と一緒に説教を受けてもらうからな。」


「以蔵さん、怒られるんですか?」


「…まぁな。けど、お前がそばにいてくれるんだろ?」


「はい。」


あたしは以蔵さんを支えながら、裏路地の奥に入りながら帰った