それにしても
「ふふふ、以蔵さんは変な趣味ですね」
「うるさい、なら返せ」
「冗談ですよ?この髪飾りはとても以蔵さんらしくて好きです」
あたしは髪飾りを両手で包み込んだ
「……っ、馬鹿。不意打ちでそんな事言うなよ。期待してしまうだろ…」
「何を期待するのですか?」
「鶫は、まだ知らなくていい。ほら、日が暮れないうちに帰るぞ。」
「ちょっと、待って下さいよ!置いて行かないで下さい。」
「ばーか、お前なんか置いて行かない。お前はほっといたらすぐどっかに行くからな。」
以蔵さんは先に行くけどもあたしの見える位置に待ってくれてる
あたしはそんなことが嬉しく思いつつ、以蔵さんについて行った
ー『置いていかない。』
あたしは思わず問いかけてしまいそうになった
本当にもう置いていかないのですか、と
問いかけたらまた変に怪しまれてしまう
だから、その言葉を必死に飲み込んだ



