苦しいよ 以蔵さん 助けてよ。 また前みたいに頭撫でてよ また前みたいに抱きついてきてよ 以蔵さんの温もりであたしの心の中の不安の雪を溶かしてよ… あたしの心の中の雪は積もって行くばかりだった そんなある日の夜ある夢をみた 「ここは…」 見たことのない野原だった 花も生えてて、草も生えてる それに 太陽も出てて、雲もある けど風は一つもふいてなどはいなかった 「鈴鶫。」 低くしがれた声が後ろから聞こえた あたしは後ろを振り返った 「ら、籟様…」 一年ぶりの籟様の姿がそこにあった