「確かここら辺に鈴が行ったような気ぃしたんやけどな。」
「ほんまか?あんさんの見間違いあらへん?」
遠くの方から声が聞こえた
だんだんとこっちに向かってきた。
「…っ。」
鈴、と言われあたしは思わず肩を揺らした
「なんか臭ない?」
「確かに…。血みたいな匂いする。」
だんだんとこちらに近づいて来た
「まずいな…」
「……っ。」
隠れようにも隠れるところがない。
運が悪く月明かりであたしたちの顔がよく見える
「あ、鈴や。」
「本間や。……っ、な、ななんなん?ひ、ひひひひひひ人が!!!」
どうしよう。
既にばれてしまった
「鈴の着物に血がついてる…!」
「ひっ…!は、早う誰かに言わな!見廻組がここら回ってるんちゃう?は、は早ういこ!」
バタバタと二人の人間は元来た道へと戻っていった
見えなくなると同時に先程の人間が焦り出した
「早くここから逃げるぞ!このままでは見廻組に捕まってしまう!その着物は血で汚れているから、こいつが着ているのを着ろ!早く!」
「……っ、ぁ。」
何故かあたしは手足を動かそうとも動かなかった
「早く!」
その人間は佐伯さんが着ていたのを急いで脱がしあたしに持たせた。
あたしはようやく動かすことができ、それを上から羽織るように着た。



