あたしはぼーっとその人間の顔を眺めていた
だんだんとその人間が佐伯さんの顔になって行くような気がした
「……っ、」
「女だからって、調子にのんな?」
その人間は大きく手を振りかざしてあたしに向かってきた
「うるさい…」
「なっ…」
人間はピタリと止まった
あたしはゆっくりと立ち上がった
「…邪魔。」
「……っひ!」
人間は情けない声を出し急いでその場を去って行った
「……?」
何あの変わりようは…
…人間はよくわからない。
あたしは再び歩み始めた
どこへ向かうべきもない
ただ佐伯さんを探すのみ。
顔は覚えたからあとは探すだけ。



