鷹夜さんはスッとあたしから離れる
「ごめん。」
「…大丈夫。」
「行きますよ。」
「はい。」
鷹夜さんと後からきた人間はあたしが来た道へと向かおうと足を進めた
鷹夜さんが通り過ぎる時
「明日、この場所で。会いに行くから」
「え…」
小さい声でそう呟かれた
あたしは振り返った
けどそこには誰もいなかった
「…行った…?」
あたしはただそこに置き去りにされたみたいに虚しくなった
それに先程の声が頭から離れない
『明日、この場所で。会いに行くから』
ただそれだけなのに
胸の鼓動が止まらない。
苦しい。
心臓が握りつぶされたみたいにひどく苦しかった
こんな感情はあの時と同じ。
いーくんに恋した時と同じ感情。
ただ声を聞いただけなのに
ただあの笑顔をみただけなのに
いーくんと同じように恋をしてしまった
「…違う。あたし、いーくん好き…!鷹夜さん…違う。」
あたしはそう自分の心に言い聞かせた。
「違う…!違う…違う……」
否定するあたしの声は誰もいないこの道に響いていた



