寵愛の姫 Ⅱ【完】



「……チッ。」



舌打ちした暁が私の首筋に顔を埋める。




髪の毛と息が当たってくすぐったい。



だけど、愛おしい人の重さに我慢する。



「…莉茉。」


「ん?」


「……これから仕事に出掛ける。」


「…そっか…。」



嫌で仕方ないと言わんばかりの暁に苦笑いを浮かべた。